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入院当日に一泊もせず自宅に帰って二日後。
手術前日の日曜日夕方、病院に戻る。
ものすごく不思議な感覚だ。
超元気、普通に仕事していた時と体調は何も変わらないのに入院患者なのだから。
もとい、ガン患者なのだから。

人前で堂々とパジャマで歩けるという機会はそうそうない。
なぜかテンションが上がり、無駄に一階のコーヒー販売機になぞ行き、
普通に洋服を着ている人たちの中で一人パジャマのシュールな環境を楽しむ。
(何が楽しかったのか、今となっては不明)

元々超夜型人間、手術前日は全く眠れず。
かといって、処方された睡眠薬は飲む気になれず、
入院中のお供として用意しておいた、『王家の紋章』を3時頃までひたすら読む。

翌朝は普通に目覚めるが、絶食なので朝食は食べられない。
水分も朝9時までだったので、ここぞとばかりに水分を摂る。
そして、麻酔を効きやすくするという点滴をされる。

先生より、
「akiさんの直前の手術がちょっと特殊で、
超早く終わった場合にはakiさんの手術も早まるのでご両親にも少し早めに
来てもらってください。
ただ、長引く可能性もあり、その場合は結構待つことになるので
ご了承くださいね。いちおう14時くらいを予定していますので。」

と説明を受ける。

両親、12時には到着。

父が、私と私と同部屋の大腸がん患者さんの前で、
「ガンにだけはなりたくない。」とほざき、私と母をうんざりさせる。
(人をうんざりさせるのは、わが父の得意技である)

13時、看護師さんが来て着圧ソックスを履かされる。
エコノミー症候群防止だそう。

14時、看護師さんが「まだ連絡がない。」と教えてくれる。

15時、看護師さんが「まだみたい、緊張してる?」と。
「いいえ全く。とにかく水が飲みたい!!」と訴えNG。

16時、看護師さんが本当に申し訳なさそうにやってきて「まだ終わらないみたい・・・。」

喉が渇いて仕方ない。
緊張は無いものの、することが無くて時間をもてあます。

17時、やっと呼ばれる。
「やった!!やっと手術だ!!」と喜ぶべきところではないところで喜びが(笑)

イメージだと、
ストレッチャーで仰向けで手術室に運ばれ、
親が手を握りながら「頑張ってね」とか涙ぐみながら言うものだが、
なんてことはない。
点滴のホルダーを自分でガラガラ押しながら歩いて手術室に向かい、
手術室の入口でシャワーキャップみたいなのをひょいっと自分でかぶり、
歩いて手術室エリアに入るのだ。

手術室エリアに入ったら入ったで、たくさんある手術室を通り過ぎ、
「はい、akiさんの手術室はここ。」と、まるで「こちらのお部屋でございます。」
と旅館で仲居に案内されるかのよう。

手術室では音楽が流れ、
自分で手術台に上がるよう言われる。どっこしょっと。

先生方が入って来る。
これもイメージでは、両手を上げてマスクをして重々しい雰囲気かと思いきや、
普通にのんびりしている。

「お待たせしちゃってすみませんでしたねー。」
「いえいえ、先生方も遅くまでお疲れ様です。」
なんぞと話しながら着々と準備は進み、
形式だけの本人確認なんぞを行う。

「はいじゃあ始めますねー。だんだん眠くなりますよー。」という麻酔科の先生の
言葉のほんの数秒後、
「手術終わりましたよー。」と聞こえる。これまじ。
全身麻酔、恐るべし!!!

母によると、19時ちょっと過ぎに出てきたらしいので、所要時間二時間ほど。

私の記憶では、母がそばにいたのと、
「痛い痛い」とかすれ声で繰り返し、
(※手術中、気道確保のための器具を喉に挿入されるので、たいていの人は
 手術後喉が痛いです。)
痛みどめの点滴をしてくれた看護師さんに「どのくらいで効きますか」
と切れ切れの声で聞いたこと。
「15分くらいですかねー。」と笑顔で言われて、朦朧とした意識の中
でキレたこと(笑)

思い返せば激痛ではなかったけどその時はすっごく痛いと感じていた。
やっぱり手術前には超健康で、手術後から病人になるわけだから。
自覚症状が無い段階での手術というのは。

かくして、
異常に待たされ、
異常に早く終わった(本人体感)私の手術、
10月1日、期せずして乳がん早期発見強化月間の初日に無事終了!!!



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かつては愛犬ブログだったので、
意味も無く愛犬の可愛い写真を載せてみたり。


2012.11.05 / Top↑
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